一人暮らしのスタイルも色々あるんです
一人暮らしの大半はアパートやマンションを借りている方だと思いますが、マイホームを購入している方もいらっしゃるかもしれません。中には、親から相続した借地(実家)に戻って生活をしているという方もいるのではないでしょうか。
借地権とは
借地権は、相続人が相続できる相続財産です。もし借地権の相続をする場合、地主の許可は不要です。地主から立ち退きを要求されたり、名義変更料や承諾料を求められる場合もあるようですが、相続による借地権の場合は、立ち退きに応じる必要もなければ、名義変更料・承諾料の支払い義務もありません。元々住んでいた実家に戻るので、住み慣れた土地や空間でリラックスしながら住めることでしょう。
親から相続した借地(実家)で済むメリットとデメリット
先ずはメリットからお話しましょう。
一軒家はもともと家族が住むために間取りや空間が設置されているため、使える空間が広くなります。ワンルームに住んでいる方からすると部屋が複数あるので、気持ちにゆとりも生まれるでしょう。部屋数が多いぶん、収納スペースも大幅に増えます。賃貸での一人暮らしは、洋服や本、趣味で集めたアイテムなどを収納する場所が限られてくるものです。(関連記事▶よくある「間取り」に関する失敗)
モノの整理に困っている方にとって収納スペースが広がるのはとても嬉しいことですね。
次にデメリットについてです。
建物は自分の所有物であっても、土地は地主のものなので、毎月地代の支払いが必要です。状況によっては地主から、地代の値上げを要求される場合もあります。借地借家法にて、土地に対する税金・周辺の土地価格が変わったとき、周辺の土地に比べて地代が極端に異なる場合は、地代が見直しされることもあります。
また、部屋数が多いぶん、掃除の広さや量は格段に増えるでしょう。庭付きの戸建てであれば庭の手入れも定期的に行わなければなりません。
建てられた時期によっては築年数もそれなりに古くなっているものです。賃貸アパート・マンションであれば、リフォーム後や綺麗な状態で住めますが、借地で建物を改装する場合は地主の承諾が必要になるため、メンテナンスをしようにも制限がかかります。このようなことがデメリットになるでしょう。
相続した借地権は売却も可能
これまで一人暮らしをしてきた方が実家に戻った場合、充実した戸建てライフを味わえるかもしれません。ですが、そもそも仕事の都合で転勤が多い方や結婚を考えたとき、生活拠点やライフスタイルがガラッと変わる可能性があります。また、一人暮らしで支払っていた賃料よりも地代のほうが高いかもしれません。
今後の将来を見据えたときに、引っ越しの可能性がある場合は、思い切って売却という方法もあります。ただし、借地権を売却する場合は地主の承認が必須です。地主の承諾を得ずに無断で売買をした場合は契約違反となり、借地権の明け渡し請求を受けることになるので、気を付けましょう。
地主から売却の許可が下りれば特に問題はありませんが、すぐに買い手がつくとは限らないため、売却の承諾を渋る地主もいます。売却にかける時間や労力を少なくするためにも、借地権の悩みを引き受けてくれる不動産会社に相談をして、スムーズに交渉を図りましょう。
不動産を相続する場合さまざまなケースがありますが、もしそこが借地物件だということが分かればメリットデメリットをよく理解して住み続けるか、売却をするか検討してみてはいかがでしょうか。